豆知識「へそくり」の語源

普段何気なく使っている「へそくり」という言葉ですが、
「倹約などして、内緒で貯めたお金」という意味は知っていても、
その語源が何であるか、知らない人がほとんどではないでしょうか。
一体いつから、どのような形で使われるようになったか、調べてみましょう。

大きく分けて、三つの説があるようですが、江戸時代中期には一般に使われていたようです。

【懐の奥の方に隠したお金】

hesokuri1.jpg漢字で「臍繰り」と書きます。
お臍の奥の方から繰り出す、つまり腹巻などの奥のほうから引っ張り出すお財布の中のお金。


そこから始まって、「奥の方に隠し持っていたお金」という意味になりました。
さらに、「臍」は「臍包み」の略で、腹巻などをお腹に巻きつけることや、
お腹に巻きつけるお金のことを指すことから始まったという説もあります。

【漢方薬の名前】

サトイモ科の雑草に「カラスビシャク」という植物があります。
カラスビシャクの根茎は、栗の形をしていて、へそのようなくぼみがあるので「ヘソ栗」と呼ばれていました。


これは薬草になる「半夏(はんげ)」と呼ばれるもので、吐き気、頭痛、めまいなどに聞く薬の材料になりました。
農家の人は、暇をみつけてはこの根っこを掘り起こして、売りに出すことで小銭を稼いでいた、
ということに由来しているという説もあります。

【糸の名前】

「臍繰り」ではなく「綜麻繰り」が由来だとする説です。
布を織る時に、麻糸などを機械にかけますが、その前の糸巻きの状態を「綜麻」と呼びました。
昔の農家では、これで布を紡いでお金にしていたことが由来とする説です。
さらに、紡ぐ女性が毎晩3本ずつ別に取り置くことで、親が亡くなった時にその麻糸で経帷子を織った、
という習慣があったそうで、「別にとっておくこと」を「へそくり」と呼び、お金にも使われたとする説です。

どの説も、コツコツ少しずつ大切にお金にしていることは共通していますね。
貧しい庶民の生活の知恵と言えるかもしれません。